例文で学ぶドイツ語中級単語帳 – B1 編

はじめに

本書はドイツ語アプリ『場面別ドイツ語 – Profile deutsch 2400語 / B1-B2』を全面的に見直し、加筆の上、再編集したものです。アプリ版では見出し語・例文の学習に特化しておりましたが、本書では新たに類語、派生語、発音が類似した単語等を多く取り入れました。また、それらの単語はB1試験だけでなく、B2レベルはもちろん、ドイツ語検定2級・準1級にも対応しているため、より幅広い層に学習してもらえるよう工夫いたしました。

語彙および例文は、オーストリア政府公認ドイツ語能力検定試験(ÖSD) 本部の許可を得て、「外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠」(Common European Framework of Reference for Languages 略して CEFR)に準拠し、ドイツ語圏の主要三ヶ国であるドイツ・オーストリア・スイスで作成されたデータベース Profile deutsch (M. Globaniat 他、Langenscheidt 2005) から多く引用、掲載してあります。このデータベースは今なお様々な資格試験において参考にされています。

学習者によっては「これがこのレベルの単語?」と疑問に感じるものもあるでしょう。それは、学生向けや社会人向けなど教科書あるいは参考書のコンセプトにより、語彙に幅がある点に依拠します。ある学習者には入門時に学習した単語であっても、別の学習者には何年経っても目にしなかった単語が出てくるのはそのためです。本書で類語や派生語として、繰り返し掲載されている単語は重要単語、頻出単語と捉えてください。

本書は B1を対象としその前後のレベルに対応できるよう作成されています。試験を受ける際に最も助けとなる単語をできるだけ効率よく学習できるよう工夫してあります。皆さんの学習の一助となれば幸いです。ご健闘お祈りしています。

小笠原 藤子

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本書の使い方

すでに過去問題集を解いた方はお分かりかと思いますが、どのレベルでも必ず読んでわからない単語、聞き取れない単語が多くあるはずです。その全部をできるようにする必要は全くありません。問題の設問は、レベルごとにわからなくてはいけない語彙に焦点を当て、それさえわかれば解けるように作成されているからです。A と B が同じことを指していると判断できるかどうかも重要です。その意味でも多く類語を取り入れています。「書く」「話す」に関しては一つの表現しかできなくても困りませんが「読む」「聞く」に関しては同じことを様々な表現で理解できる必要性があります。

例文の訳は自然な日本語を心がけましたが、原文に寄り添って作成しているため、意図して不自然な日本語となっているものもあります。日本語では主語や目的語を省略する方が自然でも、ドイツ語を理解する上で必要な場合はこれらを表記してあります。ドイツ語をアウトプットしたい場合は、言語の特徴を十分に意識してください。

この単語集の活用法は以下の順番で行うと良いでしょう。

  1. 見出し語をすべて「読める」「聞いて理解できる」ようにする。(独検2級)
  2. 見出し語をすべて「書ける」「言える」ようにする。(B1)
  3. 関連語・派生語を「読める」「聞いて理解できる」ようにする。(B1・独検準1級)
  4. 関連語・派生語を「書ける」「言える」ようにする。(B2)

見出し語に関しては単語だけでなく、動詞、前置詞との結びつきを覚え、文章で「書ける」「言える」ようにすることが肝心です。さらに「自分だけの語彙」すなわち、自分を表現するのに必要な語彙(専門、趣味の分野等)は単語集への掲載の有無に関わらず、必ず覚えて「書ける」「言える」ようにしてください。CEFR 形式の試験では自己発信ができるということが非常に大きな意味を持ちます。

Kindleの機能

Kindleにはマーカー・ブックマーク・フラッシュカードなどの機能がついているので、これらの機能も併用することで、本書を自分好みの単語帳に仕上げることができるでしょう。

音声を聴きながら音読

巻末ページに記載してあるURLから音声ダウンロードが可能です。

見出し語・略語の記載に関して

男性名詞 : der Vater
女性名詞 : die Mutter
中性名詞 : das Kind
複数名詞 : (die) Eltern

女性名詞と複数名詞の定冠詞 die の混合を避けるため、複数名詞の見出し語は (die) Eltern のように定冠詞を (die) と記載しました。

名詞の複数形は見出し語の右側に「 / 」に続けて複数形を省略せずにそのまま記載しました。

格変化の記載に関して

格変化は以下の略語で記載しています。

【1格】N : Nominativ
【2格】G : Genitiv
【3格】D : Dativ
【4格】A : Akkusativ

例文ごとの単語に関して

◆ : 例文中に出てくる単語・類語・関連語
◇ : 成句・熟語・構文など2語以上のもの
* : 注意事項