ポイント
平叙文:定動詞は第2位(2セット目)に置かれます。
疑問文:「はい」や「いいえ」で答えられる決定疑問文では定動詞は第1位(1セット目)、疑問詞を必要とする補足疑問文では定動詞は第2位(2セット目)に置かれます。
平叙文 → 定動詞第2位
Andreas kommt heute.
アンドレアスは今日来ます。
Heute kommt Andreas.
今日アンドレアスは来ます。
文成分
一般的な語順の平叙文では主語-動詞-その他の要素という順序になり、定動詞は2セット目の位置に置かれます。文を作る上での最小単位は単語ですが、基本的に文成分として意味上のまとまりを1セットと考えます。1セットは1単語の場合もあれば、複数の後で成り立っている場合もあります。
また、ドイツ語では文頭に必ず主語が置かれるとは限らず、主語以外の文成分を強調したい時はそれを文頭(1セット目)に置きます。しかし、この時も定動詞は2セット目に置かれます。
Andreas kommt am Wochenende.
アンドレアスは週末に来ます。
Am Wochenende kommt Andreas.
週末にアンドレアスは来ます。
定動詞第2位の原則
繰り返しますが、平叙文では定動詞は必ず2セット目に置かれます。これを定動詞第2位の原則と言います。
Andreas kommt aus Deutschland.
アンドレアスはドイツから来ました。
Aus Deutschland kommt Andreas.
ドイツからアンドレアスは来ました。
aus は 前置詞で直後に名詞を必要とするため、単独で使われ図、aus Deutschland として「ドイツから」というまとまった意味を持ち、1セットと考えます。
Sehr fleißig arbeitet Andreas.
とても熱心にアンドレアスは働きます。
この場合の Sehr も fleißig という形容詞を修飾しているため、単独で文頭に置かれることはありません。sehr fleißig で「とても熱心に」という意味となり、1セットと考えます。
Japanisch lernt Andreas.
日本語をアンドレアスは学んでいます。
Japanisch は目的語なので、1語で1セットとなり、後ろに動詞が来ます。語順に関しては英語との違いがあるので注意が必要です。
Andreas kommt immer pünktlich.
アンドレアスはいつも時間通りに来ます。
Andreas は主語なので、1語で1セットとなり、後ろに動詞が来ます。
Im Sommer kommt Andreas.
夏にアンドレアスは来ます。
Im Sommer は「夏に」という意味で2語で1セットとなるため、後ろに動詞が来ます。
疑問文
疑問文には wann(いつ) や wo(どこで) といった疑問詞のある補足疑問文、 ja(はい) や nein(いいえ)が答えとなる、疑問詞を持たない決定疑問文の2つがあります。
補足疑問文 → 定動詞第2位
補足疑問文では疑問詞が文頭に置かれ、定動詞は2セット目に置かれます。問いかける場合は尻上がり、事実を尋ねる場合や問い詰める場合は尻下がりのイントネーションになります。
wo(どこ)
Wo wohnt Andreas? – Er wohnt in Weimar.
アンドレアスはどこに住んでいますか? – 彼はワイマールに住んでいます。
woher(どこから)
Woher kommen er? – Er kommen aus Weimar.
彼はどこの出身ですか? – 彼はワイマールの出身です。
Woher kommt ihr? – Wir kommen aus Wien.
君たちはどこから来たんですか? – 私たちはウィーンから来ました。
wohin(どこへ)
Wohin fliegt sie? – Sie fliegt nach Deutschland.
彼女はどこに飛行機で行きますか? – 彼女はドイツへ飛行機で行きます。
was(何)
was は英語の what に該当する疑問詞です。
Was lernt er? – Er lernt Japanisch.
彼は何を学んでいますか? – 彼は日本語を学んでいます。
Was lernen Sie? – Ich lerne Deutsch.
あなたは何を学んでいますか? – 私はドイツ語を学んでいます。
Was trinken Sie? – Ich trinke Bier.
あなたは何を飲みますか? – 私はビールを飲みます。
wer(誰)
wer は英語の who に該当する疑問詞で、必ず主語として使われ、定動詞は三人称単数の形になります。
Wer kommt heute? – Heute kommt Andreas.
誰が今日来ますか? – 今日はアンドレアスが来ます。
Wer kommt aus Weimar? – Andreas kommt aus Weimar.
誰がワイマールの出身ですか? – アンドレアスがワイマールの出身です。
wann(いつ)
wann は英語の when に該当する疑問詞です。
Wann fliegen Sie nach Deutschland? – Morgen fliege ich nach Deutschland.
あなたはいつドイツへ行きますか? – 明日、私はドイツへ行きます。
前置詞と wann を一緒に使うことで1つの疑問詞になります。
bis wann(いつまで)
Bis wann bleiben Sie in Deutschland? – Bis September bleibe ich in Deutschland.
いつまでドイツに滞在しますか? – 9月までドイツに滞在します。
seit wann(いつから)
Seit wann lernen Sie Deutsch? – Seit 2020 lerne ich Deutsch.
いつからドイツ語を学んでいますか? – 2020年から私はドイツ語を学んでいます。
warum(なぜ)
warum は英語の why に該当する疑問詞です。
Warum lernen Sie Deutsch?
なぜドイツ語を勉強していますか?
Warum kaufst du MacBook?
なんでMacBookを買うの?
wie(どのように・どうやって)
wie は英語の how に該当する疑問詞です。wie を伴う定型句は多数あります。
Wie geht es Ihnne?
調子はいかがですか?
Wie heißen Sie? / Wie ist Ihr Name?
あなたのお名前は?
Wie kommt man zum Flughafen?
どうやったら空港へ行けますか?
wie は形容詞や副詞を伴い「どのくらい」「どれほど」と程度や度合いを尋ねることができます。
Wie alt sind Sie?
あなたはおいくつですか?(何歳ですか?)
Wie spät ist es jetzt?
今何時ですか?
Wie lange bleiben Sie hier?
どれくらいここに滞在しますか?
Wie hoch ist dein Gehalt?
君の給料はいくらですか?
Wie hoch ist der Berg?
そのやはどれくらいの高さですか?
Wie groß ist das?
それはどれくらいの大きさですか?
Wie viel kostet das? / Was kostet das?
それはいくらですか?
(Um) wie viel Uhr ist es jetzt?
今何時ですか?
決定疑問文 → 定動詞第1位
決定疑問文では定動詞が文頭に置かれ、答えは ja(はい) か nein(いいえ)になります。ドイツ語には英語の do や does といった代動詞はないため、文全体を否定する場合は否定詞 nicht を文末に置きます。特定の語句を否定する場合は nicht を語句の直前に置きます。
Kommt sie heute? – Ja, sie kommt heute.
彼女は今日来ますか? – はい、彼女は今日来ます。
Kommt sie heute? – Nein, sie kommt heute nicht.
彼女は今日来ますか? – いいえ、彼女は今日来ません。
否定疑問文 → 定動詞第1位
否定疑問文では定動詞は文頭に置かれます。否定疑問文に対して同意する場合は nein(そうなんです) となります。一方で否定疑問文を否定する場合は doch(いえいえ)となります。
Rauchst du nicht? – Nein, ich rauche nicht.
君はタバコを吸わないのですか? – そうなんです、私はタバコを吸いません。
Rauchst du nicht? – Doch, ich rauche.
君はタバコを吸わないのですか? – いえいえ、私はタバコを吸います。
Trinkst du nicht? – Nein, ich trinke nicht.
君は(お酒を)飲まないのですか? – そうなんです、私は飲みません。
Trinkst du nicht? – Doch, ich trinke.
君は(お酒を)飲まないのですか? – いえいえ、私は飲みます。