ドイツ語の格(が・の・に・を)と格支配について

日本語を母国語とする人が、ドイツ語を習い始めて最初に違和感を感じるのがドイツ語の「格」です。

ざっくり」日本語と照らし合わせるならば、⁠

1格(N):は・が
2格(G):の
3格(D):に
4格(A):を

です。基本的な文章を見てみましょう。

⁠Ich gebe ihr einen Apfel. 
私は彼女「に」りんご「を」1つあげる。⁠
Der Mann kennt ihn.
その男は彼「を」知っている。
⁠Ich kaufe ein Buch. 
私は本「を」1冊買う。⁠

少しドイツ語を学んだ人ならば、ここまでは分かりますよね。

⁠ここから本題です

ドイツ語には「格支配」という概念があります。⁠例えば helfen という動詞、この動詞のメインの意味はわかりますか?⁠

Ich helfe ihm.
私は彼「を」手伝う。/ 私は彼「を」助ける。⁠

ここで日本語の「に・を」の照らし合わせがうまくいかなくなるはずです。⁠「を」なのに、後ろにくる代名詞は3格になっています。

実は helfen は「3格目的語」を必要とします。これが動詞の格支配です。⁠

おそらくドイツ語を始めたばかりの方は、helfen の意味を覚える際に「助ける・手伝う」と覚えているかもしれません。⁠しかし、実際は「Dを助ける・Dを手伝う」という意味の動詞なのです。⁠

そうなると helfen の後ろにくる名詞や代名詞は自ずと「3格」を強制されます。

上の例文で挙げた geben も「あげる・与える」ではなく「DにAをあげる」と覚えるべき、 kennen も単に「知っている」ではなく「Aを知っている」 kaufen も「Aを買う」という感じになります。

基礎レベルでよく出てくるのは helfen / danken / treffen / küssen / fragen などがあります。

⁠danken は「Dに感謝する」という意味で

Ich danke dir.
私は君に感謝する。/ ありがとう。⁠

treffen は「Aに会う」という意味で

Ich treffe ihn.
私は彼に会う。

彼「に」会う となっていますが、Aを必要とするので、後ろは ihn となります。

küssen は「Aにキスをする」という意味で

Julia küsst den Mann.
ユリアはその男にキスをする。⁠

男「に」キスをする となっていますが、これも A を必要とするので、den Mann となります。

fragen は「Aに質問する・Aに尋ねる」という意味で

Ich frage meinen Vater.
私は父に質問をする。

父「に」となっていますが、A を必要とするので meinen Vater となります。

つまり

「が」「の」「に」「を」など、日本語の助詞は後からついてくるもので、重要なのは helfen を「助ける・手伝う」ではなく「Dを助ける・Dを手伝う」と理解する点です。これがわかるだけで、ドイツ語がパズルのようになります。

ちなみに、上記の動詞に加え、schicken / schenken / gefallen / gehören などの格支配も毎年試験に出るので、併せてチェックしてみてください。

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