定動詞の位置・平叙文と疑問文

ポイント

ドイツ語では、定動詞の位置 がとても大切です。
単語の意味が合っていても、動詞の位置をまちがえると、ドイツ語として不自然になります。

  • Er kommt heute.
    彼は今日来ます。
  • Wann kommt er?
    彼はいつ来ますか。
  • Kommt er heute?
    彼は今日来ますか。

ドイツ語では、文の種類によって、定動詞の位置が決まります。


まず覚える基本ルール

  • 平叙文では、定動詞は 第2位
  • 疑問詞のある疑問文でも、定動詞は 第2位
  • はい・いいえで答える疑問文では、定動詞は 第1位

1. 「第2位」は「2番目の単語」ではない

ここが最重要ポイントです。

ドイツ語で「動詞が第2位」と言うとき、
それは 2番目の単語 ではありません。

正しくは、

2番目の文成分(意味のカタマリ)

です。


1-1. 文成分とは何か

文成分 とは、意味のまとまりのことです。
1語のこともあれば、複数の語からなることもあります。

  • Er kommt heute.
    Er は1つの文成分
  • Heute kommt er.
    Heute は1つの文成分
  • Aus Deutschland kommen sie.
    Aus Deutschland 全体で1つの文成分
  • Sehr fleißig arbeitet er.
    Sehr fleißig 全体で1つの文成分

1-2. 単語ではなく「カタマリ」で考える

  • Der kleine Hund spielt im Garten.
    その小さい犬は庭で遊んでいます。

この文では、

  • Der kleine Hund = 1つ目の文成分
  • spielt = 2つ目の文成分

です。

単語だけで数えると spielt は4番目に見えます。
でも、ドイツ語では Der kleine Hund 全体で1つのカタマリです。


2. 平叙文では定動詞が第2位(V2)

ドイツ語の平叙文では、定動詞は必ず
2番目の文成分 に来ます。

これを V2 ルール と考えると分かりやすいです。
V は Verb(動詞)、2 は第2位という意味です。


2-1. 基本の形

  • Er kommt heute.
    彼は今日来ます。
  • Heute kommt er.
    今日、彼は来ます。

どちらも正しい文です。
ちがうのは、何を最初に出すか だけです。


2-2. 先頭は「自由席」、動詞は「固定席」

ドイツ語の平叙文は、こう考えると分かりやすいです。

  • 1番目の席:自由席
    → いちばん言いたいことを置ける
  • 2番目の席:定動詞の固定席
    → ここは絶対に動かない

つまり、

  • Heute を先頭に置きたければ
  • 動詞 kommt は2番目に残り
  • 主語 er はそのあとに下がる

ということです。

だから、これは「主語と動詞が入れ替わる」というより、

先頭の席に別の文成分が座ったので、主語が後ろに移る

と考えるほうが正確です。


3. 主語が最初に来ないこともある

ドイツ語では、文の最初に必ず主語が来るとは限りません。
強調したい文成分を最初に置くことができます。

ただし、その場合でも、定動詞は必ず2番目に来ます。

  • Andreas wohnt in Berlin.
    アンドレアスはベルリンに住んでいます。
  • In Berlin wohnt Andreas.
    ベルリンにアンドレアスは住んでいます。

後の文では、In Berlin を先頭に置いています。
でも、動詞 wohnt はやはり2番目です。


4. 1語で1つの文成分になる例

  • Deutsch lernt er.
    ドイツ語を彼は学びます。
  • Heute kommt er.
    今日、彼は来ます。
  • Er kommt immer spät.
    彼はいつも遅れて来ます。

ここでは、

  • Deutsch
  • Heute
  • Er

がそれぞれ1つの文成分です。


5. 複数語で1つの文成分になる例

  • Aus Deutschland kommen sie.
    彼らはドイツから来ます。
  • Sehr fleißig arbeitet er.
    彼はとても熱心に働きます。

ポイント

  • aus は前置詞なので、ふつう単独では使いません。
    aus Deutschland で1つのまとまりです。
  • sehr も単独より、sehr fleißig
    「とても熱心に」という1つのまとまりになります。

6. 平叙文の例文

  • Katharina kommt aus Berlin.
    カタリーナはベルリンの出身です。
  • Aus Berlin kommt Katharina.
    ベルリンの出身なのはカタリーナです。
  • Andreas lernt Japanisch.
    アンドレアスは日本語を学んでいます。
  • Japanisch lernt Andreas.
    日本語を学んでいるのはアンドレアスです。
  • Andreas und Katharina spielen draußen.
    アンドレアスとカタリーナは外で遊んでいます。
  • Draußen spielen Andreas und Katharina.
    外で遊んでいるのはアンドレアスとカタリーナです。

7. 不定詞句から文を作るときも動詞は第2位

ドイツ語では、辞書に載っている形の動詞を 不定詞 といいます。
また、不定詞を含むまとまりを 不定詞句 と呼びます。

  • heute kommen
    今日来る
  • aus Deutschland kommen
    ドイツから来る
  • Deutsch lernen
    ドイツ語を学ぶ
  • fleißig Deutsch lernen
    熱心にドイツ語を学ぶ

こうしたまとまりから文を作るときは、
不定詞を人称変化させて、文の第2位に置きます。

例文

  • Er lernt fleißig Deutsch.
    彼は熱心にドイツ語を学びます。

8. 練習用の基本文

  • Ich fliege nach Österreich.
    私はオーストリアへ飛行機で行きます。
  • Wir lernen Japanisch.
    私たちは日本語を学びます。
  • Sie kommen aus Japan.
    彼らは日本の出身です。
    あなたは日本の出身です。
  • Du reist nach Deutschland.
    君はドイツへ行きます。
  • Sie wohnen in Berlin.
    彼らはベルリンに住んでいます。
    あなたはベルリンに住んでいます。

9. 疑問文は2種類ある

ドイツ語の疑問文には、大きく分けて2つあります。

9-1. 疑問詞を使う疑問文(W-Frage)

疑問詞を使う疑問文です。

  • wann(いつ)
  • wo(どこで・どこに)
  • woher(どこから)
  • wohin(どこへ)
  • was(何を)
  • wer(誰が)
  • wie(どのように)
  • warum(なぜ)

このタイプでは、疑問詞が1番目、定動詞が2番目 です。
つまり、これも V2 です。


9-2. はい・いいえで答える疑問文(Ja/Nein-Frage)

疑問詞を使わず、ja / nein で答える疑問文です。

このタイプでは、定動詞が文頭 に来ます。
つまり V1 です。


10. 疑問詞のある疑問文では定動詞が第2位(V2)

疑問詞のある疑問文では、疑問詞が最初に来て、
定動詞は2番目に来ます。

  • Wo wohnt sie?
    彼女はどこに住んでいますか。
  • Was lernen Sie?
    あなたは何を学んでいますか。
  • Woher kommen sie?
    彼らはどこの出身ですか。

ポイント

これは平叙文と同じで、

  • 1番目の席に 疑問詞
  • 2番目の席に 動詞

が来ていると考えると分かりやすいです。


11. wo / woher / wohin

この3つは特によく使います。

疑問詞意味
woどこで、どこに
woherどこから
wohinどこへ

例文

  • Wo wohnst du?
    君はどこに住んでいますか。
  • Woher kommt er?
    彼はどこから来ますか。
  • Wohin fliegt sie?
    彼女はどこへ飛行機で行きますか。

12. wer は「誰が」

wer は「誰が」という意味で、
主語をたずねる疑問詞です。

このとき、動詞はふつう 3人称単数 の形になります。

例文

  • Wer kommt heute?
    誰が今日来ますか。
  • Heute kommt Andreas.
    今日来るのはアンドレアスです。

13. bis wann

bis wann は「いつまで」という意味です。
bis + wann で1つのまとまりとして覚えると便利です。

例文

  • Bis wann arbeitest du?
    君はいつまで働きますか。
  • Ich arbeite bis 18 Uhr.
    私は18時まで働きます。

14. よく使う疑問詞

疑問詞意味
wer誰が
was何を
woどこで、どこに
woherどこから
wohinどこへ
wieどのように
wannいつ
warumなぜ

15. 疑問詞のある疑問文の例文

  • Was lernen Sie?
    あなたは何を学びますか。
    → Ich lerne Deutsch.
    私はドイツ語を学びます。
  • Was trinkst du?
    君は何を飲みますか。
    → Ich trinke Tee.
    私はお茶を飲みます。
  • Wer kommt aus Deutschland?
    誰がドイツの出身ですか。
    → Andreas kommt aus Deutschland.
    アンドレアスがドイツの出身です。
  • Woher kommt ihr?
    君たちはどこから来ますか。
    → Wir kommen aus Berlin.
    私たちはベルリンから来ます。
  • Wohin fliegt sie?
    彼女はどこへ飛行機で行きますか。
    → Sie fliegt nach Hamburg.
    彼女はハンブルクへ飛行機で行きます。
  • Wie heißen Sie?
    お名前は何ですか。
    → Ich heiße Andreas Müller.
    私はアンドレアス・ミュラーです。
  • Wo wohnen Sie?
    あなたはどこに住んでいますか。
    → Ich wohne in Tokio.
    私は東京に住んでいます。
  • Wohin fliegt ihr?
    君たちはどこへ飛行機で行きますか。
    → Wir fliegen nach Hamburg.
    私たちはハンブルクへ飛行機で行きます。
  • Woher kommt er?
    彼はどこから来ますか。
    → Er kommt aus Frankreich.
    彼はフランスから来ます。
  • Was spielen sie?
    彼らは何をしますか。
    → Sie spielen Fußball.
    彼らはサッカーをします。
  • Wann tanzen Sie?
    あなたはいつ踊りますか。
    → Ich tanze heute Abend.
    私は今晩踊ります。

16. はい・いいえで答える疑問文では定動詞が第1位(V1)

ja / nein で答える疑問文では、
定動詞が文の最初に来ます。

  • Kommt er heute?
    彼は今日来ますか。
  • Ja, er kommt heute.
    はい、彼は今日来ます。
  • Nein, er kommt heute nicht.
    いいえ、彼は今日来ません。

ポイント

ドイツ語では、英語の do / does のような語は使いません。
動詞をそのまま文頭に出せば疑問文になります。


17. nicht の位置

文全体を否定するときは、nicht を後ろの方に置くことが多いです。

  • Er kommt heute nicht.
    彼は今日来ません。

ただし、特定の語句だけを否定するときは、
その語句の前に置くことがあります。

  • Ich lerne nicht Spanisch, sondern Deutsch.
    私はスペイン語ではなく、ドイツ語を学びます。

この課では、まず

文全体の否定では、nicht は後ろに来ることが多い

と覚えれば十分です。


18. 否定疑問文

否定疑問文でも、定動詞は第1位です。

  • Rauchst du nicht?
    君はたばこを吸わないのですか。

このような文に対しては、

  • Nein
    → その否定内容に同意する
  • Doch
    → その否定内容を打ち消す

という使い方になります。

  • Rauchst du nicht?
    君はたばこを吸わないのですか。
  • Nein, ich rauche nicht.
    はい、吸いません。
  • Doch, ich rauche.
    いいえ、吸います。

19. はい・いいえで答える疑問文の例文

  • Trinken Sie Kaffee?
    あなたはコーヒーを飲みますか。
  • Tanzt du heute?
    君は今日踊りますか。
  • Arbeitet sie dort?
    彼女はそこで働いていますか。
  • Kommen sie aus Polen?
    彼らはポーランドの出身ですか。
  • Wohnt er in Berlin?
    彼はベルリンに住んでいますか。
  • Bleiben sie zu Hause?
    彼らは家にいますか。

20. 否定疑問文の例文

  • Raucht er nicht?
    彼はたばこを吸わないのですか。
    → Nein, er raucht nicht.
    はい、吸いません。
    → Doch, er raucht.
    いいえ、吸います。
  • Arbeitest du heute nicht?
    君は今日働かないのですか。
    → Nein, ich arbeite nicht.
    はい、働きません。
    → Doch, ich arbeite.
    いいえ、働きます。
  • Lernen Sie nicht Spanisch?
    あなたはスペイン語を学ばないのですか。
    → Nein, ich lerne nicht Spanisch.
    はい、学びません。
    → Doch, ich lerne Spanisch.
    いいえ、学びます。

まとめ

ドイツ語では、定動詞の位置 がとても大切です。

基本ルール

  • 平叙文 → 定動詞は 第2位(V2)
  • 疑問詞のある疑問文 → 定動詞は 第2位(V2)
  • ja / nein で答える疑問文 → 定動詞は 第1位(V1)

まず絶対に押さえること

「第2位」は、2番目の単語ではなく、2番目の文成分。

ここをまちがえると、長い文になったときに語順が分からなくなります。


最初に覚えたい4つの形

  • Er kommt heute.
  • Heute kommt er.
  • Wann kommt er?
  • Kommt er heute?

この4つが分かれば、ドイツ語の語順の骨組みがかなり見えてきます。