動詞の現在人称変化 Ⅱ – sein と haben

ポイント

seinhaben は、ドイツ語で最も大切な動詞です。
この2つは、会話でも文章でも何度も出てきます。

  • Ich bin Student.
    私は大学生です。
  • Bist du krank?
    君は病気ですか。
  • Wo ist er?
    彼はどこにいますか。
  • Ich habe Angst.
    私は不安です。
  • Hast du Zeit?
    君は時間がありますか。
  • Er hat Geld.
    彼はお金を持っています。

この2つは、ただの頻出動詞ではありません。
あとで学ぶ 完了形 でも、助動詞 として再登場します。

つまり、sein と haben がすぐ出ないと、ドイツ語全体が止まる ということです。


1. なぜ sein と haben が特別なのか

多くの学習書では、この2つを「不規則動詞」として並べます。
もちろんそれも間違いではありません。

でも、実際にはこの2つは、ただの不規則動詞ではありません。

sein と haben は、ドイツ語の骨組みを支える2本柱です。

この2つには、次の2つの顔があります。

  • 普通の動詞としての顔
  • 助動詞としての顔

今の段階では、まず普通の動詞としてしっかり身につけましょう。


2. sein:唯一無二の超重要動詞

2-1. sein は「〜である」「〜にいる・ある」

sein は、英語の be動詞 に近い、とても重要な動詞です。

主に次の意味で使います。

  • 〜である
  • 〜にいる
  • 〜にある

2-2. sein の現在人称変化

sein は、ドイツ語で最も不規則な動詞の1つです。
ここは、まず理屈より形をそのまま覚えるのが近道です。

主語
ichbin
dubist
er / sie / esist
wirsind
ihrseid
sie / Siesind

覚え方のコツ

  • ist は英語の is に少し似ている
  • bististb がついた形のように見える
  • seidsind を混同しやすいので注意する

特に次を声に出して区別しましょう。

  • ihr seid
  • sie sind

2-3. まずはこの3つを即答できるようにする

  • ich bin
  • du bist
  • er ist

ここが最重要です。


3. sein の使い方

3-1. 「〜である」

人や物の状態、職業、身分、国籍などを表すとき、sein を使います。

例文

  • Ich bin Student.
    私は大学生です。
  • Er ist Arzt.
    彼は医者です。
  • Ich bin Japaner.
    私は日本人です。
  • Ich bin krank.
    私は病気です。
  • Andreas ist Lehrer.
    アンドレアスは教師です。
  • Ihr seid fleißig.
    君たちは熱心です。
  • Sie sind faul.
    彼らは怠けています。
    あなたは怠けています。

3-2. 職業・身分・国籍にはふつう冠詞をつけない

ここは英語とずれやすいので注意です。

ドイツ語では、職業・身分・国籍を表すとき、
ふつう冠詞をつけません

例文

  • Ich bin Student.
    私は大学生です。
  • Andreas ist Arzt.
    アンドレアスは医者です。
  • Ich bin Japaner.
    私は日本人です。

ポイント

英語では

  • I am a student.

のように冠詞をつけますが、ドイツ語ではこの場合、ふつう冠詞をつけません。


3-3. 「〜にいる・〜にある」

sein は、「いる」「ある」という意味でも使います。

例文

  • Sie ist dort.
    彼女はそこにいます。
  • Sie ist in Berlin.
    彼女はベルリンにいます。
  • Hier bin ich.
    私はここにいます。
  • Es ist im Kühlschrank.
    それは冷蔵庫の中にあります。

ポイント

場所を表す語が文頭に来ることもよくあります。

  • Hier bin ich.
    私はここにいます。

4. sein の疑問文

sein の疑問文も、語順の基本ルールは同じです。

  • 疑問詞のある疑問文 → 定動詞は第2位
  • はい・いいえで答える疑問文 → 定動詞は第1位

4-1. 疑問詞のある疑問文

どこにいるかをたずねる

  • Wo ist er?
    彼はどこにいますか。
  • Da ist er.
    そこに彼がいます。
  • Wo ist Andreas?
    アンドレアスはどこにいますか。
  • Andreas ist draußen.
    アンドレアスは外にいます。

職業をたずねる

職業をたずねるときは、was を使います。

  • Was ist er von Beruf?
    彼の職業は何ですか。
  • Er ist Lehrer.
    彼は教師です。

その人が誰かをたずねる

人をたずねるときは、wer を使います。

  • Wer bist du?
    君は誰ですか。
  • Ich bin Andreas.
    私はアンドレアスです。
  • Wer ist er?
    彼は誰ですか。

4-2. はい・いいえで答える疑問文

肯定の答え

  • Bist du krank?
    君は病気ですか。
  • Ja, ich bin krank.
    はい、私は病気です。

否定の答え

  • Bist du krank?
    君は病気ですか。
  • Nein, ich bin nicht krank.
    いいえ、私は病気ではありません。

5. sein の否定

sein を使って「〜ではない」と言うときは、
nicht を述語の前に置きます。

例文

  • Ich bin nicht krank.
    私は病気ではありません。
  • Katharina ist nicht Lehrerin.
    カタリーナは教師ではありません。
  • Wir sind nicht müde.
    私たちは疲れていません。

6. sein の例文

6-1. 基本文

  • Andreas ist Lehrer.
    アンドレアスは教師です。
  • Ihr seid fleißig.
    君たちは熱心です。
  • Sie sind faul.
    彼らは怠けています。
    あなたは怠けています。
  • Was sind Sie von Beruf?
    あなたの職業は何ですか。
  • Wer ist er?
    彼は誰ですか。
  • Bist du nicht gesund?
    君は健康ではないのですか。
  • Ist sie Sekretärin?
    彼女は秘書ですか。

6-2. 会話の例

  • Wer ist das?
    それは誰ですか。
    → Das ist Andreas.
    それはアンドレアスです。
  • Was ist er von Beruf?
    彼の職業は何ですか。
    → Er ist Student.
    彼は大学生です。
  • Wer ist das?
    それは誰ですか。
    → Das ist Katharina.
    それはカタリーナです。
  • Was ist sie von Beruf?
    彼女の職業は何ですか。
    → Sie ist Lehrerin.
    彼女は教師です。

6-3. 場所をたずねる例文

  • Wo ist er?
    彼はどこにいますか。
    → Er ist hier.
    彼はここにいます。
  • Wo ist sie?
    彼女はどこにいますか。
    → Sie ist da.
    彼女はそこにいます。
  • Wo ist Andreas?
    アンドレアスはどこにいますか。
    → Andreas ist draußen.
    アンドレアスは外にいます。
  • Wo ist er?
    彼はどこにいますか。
    → Er ist dort drüben.
    彼はあちらにいます。
  • Wo ist Katharina?
    カタリーナはどこにいますか。
    → Katharina ist hier.
    カタリーナはここにいます。
  • Wo sind sie jetzt?
    彼らは今どこにいますか。
    → Sie sind in Bonn.
    彼らはボンにいます。
  • Wo ist es?
    それはどこにありますか。
    → Es ist im Kühlschrank.
    それは冷蔵庫の中にあります。

7. haben:実は「全部が不規則」ではない

7-1. haben は「持っている」「ある」

haben は、英語の have に近い動詞です。
主な意味は次の通りです。

  • 持っている
  • ある
  • ある状態を持っている

7-2. haben の現在人称変化

多くの学習書では、haben を「不規則変化」と書きます。
もちろん間違いではありません。

でも、学ぶ側から見ると、こう考えたほうが覚えやすいです。

haben は、基本は規則変化。
ただし du と er / sie / es だけ b が落ちる。

主語
ichhabe
duhast
er / sie / eshat
wirhaben
ihrhabt
sie / Siehaben

覚え方のコツ

もともとの形を意識すると、こう見えます。

  • habst → hast
  • habt → hat

つまり、b が脱落して短くなった と考えると覚えやすいです。


7-3. まずはこの3つを覚える

  • ich habe
  • du hast
  • er hat

8. haben の使い方

8-1. 物を持っている

例文

  • Ich habe ein Auto.
    私は車を持っています。
  • Er hat Geld.
    彼はお金を持っています。

8-2. 気持ちや状態を表す

ここがとても大切です。
英語に引っぱられると間違えやすいところです。

ドイツ語では、haben を使って状態を表す ことが多いです。

例文

  • Ich habe Angst.
    私は不安です。
  • Wir haben Durst.
    私たちはのどが渇いています。
  • Ich habe Hunger.
    私はお腹が空いています。
  • Sie hat Geduld.
    彼女には忍耐があります。
  • Sie haben Mut.
    彼らには勇気があります。
    あなたには勇気があります。

8-3. 時間がある

  • Hast du Zeit?
    君は時間がありますか。
  • Morgen hat sie Zeit.
    明日、彼女は時間があります。

8-4. 誕生日である

ドイツ語では、「誕生日です」と言うときにも haben を使います。

  • Ich habe heute Geburtstag.
    私は今日、誕生日です。
  • Heute hat er Geburtstag.
    今日、彼は誕生日です。

9. 英語につられやすいポイント

ここはとても大事です。

英語では

  • I am hungry.
  • I am thirsty.
  • I am afraid.

のように be動詞 を使うので、
日本人学習者はドイツ語でも sein を使いたくなります。

でも、ドイツ語ではふつう haben を使います。

正しい言い方

  • Ich habe Hunger.
    私はお腹が空いています。
  • Ich habe Durst.
    私はのどが渇いています。
  • Ich habe Angst.
    私は不安です。

ポイント

  • 英語の感覚で Ich bin Hunger のようには言いません。
  • 状態を「持っている」と考える表現が、ドイツ語には多くあります。

10. 冠詞をつけないことが多い名詞

Geld, Angst, Zeit, Hunger, Durst, Mut, Geduld などは、
数えない名詞として使われることが多いので、ふつう ein をつけません。

例文

  • Ich habe Angst.
    私は不安です。
  • Wir haben Durst.
    私たちはのどが渇いています。
  • Hast du Zeit?
    君は時間がありますか。

11. haben の疑問文

11-1. 疑問詞のある疑問文

  • Was hat er?
    彼は何を持っていますか。

11-2. はい・いいえで答える疑問文

  • Hast du Zeit?
    君は時間がありますか。
  • Haben Sie Gepäck?
    あなたは手荷物を持っていますか。

12. haben の例文

  • Wir haben Durst.
    私たちはのどが渇いています。
  • Hast du jetzt Zeit?
    君は今、時間がありますか。
  • Sie hat Geduld.
    彼女には忍耐があります。
  • Sie haben Mut.
    彼らには勇気があります。
    あなたには勇気があります。
  • Habt ihr viel Geld?
    君たちはたくさんお金を持っていますか。
  • Ich habe heute Geburtstag.
    私は今日、誕生日です。
  • Ich habe Hunger.
    私はお腹が空いています。
  • Morgen hat sie Zeit.
    明日、彼女は時間があります。
  • Heute hat er Geburtstag.
    今日、彼は誕生日です。
  • Ihr habt Mut.
    君たちには勇気があります。
  • Du hast viel Geld.
    君はたくさんお金を持っています。
  • Jetzt haben wir Durst.
    今、私たちはのどが渇いています。

13. この2つがあとでさらに重要になる理由

今はまず、

  • sein = 〜である / 〜にいる
  • haben = 持っている / ある

として覚えれば十分です。

でも、あとで学ぶ 完了形 では、この2つが助動詞 として使われます。

  • Ich bin gegangen.
    私は行きました。
  • Ich habe gegessen.
    私は食べました。

つまり、sein / haben の人称変化が瞬時に出ないと、過去の話もできません。


まとめ

seinhaben は、ドイツ語でとても大切な動詞です。


sein

sein は、次の意味で使います。

  • 〜である
  • 〜にいる / 〜にある

変化

主語
ichbin
dubist
er / sie / esist
wirsind
ihrseid
sie / Siesind

haben

haben は、次の意味で使います。

  • 持っている
  • ある
  • 気持ちや状態を表す

変化

主語
ichhabe
duhast
er / sie / eshat
wirhaben
ihrhabt
sie / Siehaben

まずはここを覚えよう

  • ich bin / du bist / er ist
  • ich habe / du hast / er hat

この課の重要ポイント

  • sein は英語の be動詞 に近い
  • haben は英語の have に近い
  • ただし、どちらも単なる基本動詞以上に重要
  • sein は本当に不規則なので、まず形をそのまま覚える
  • haben は全部が不規則ではなく、主に hast / hat に注意すればよい
  • 職業・身分・国籍を表すとき、ドイツ語ではふつう冠詞をつけない
  • Ich habe Angst. のように、haben で気持ちや状態を表すことがある
  • あとでこの2つは、完了形の助動詞 としても使う